晴れ☼びより

介護や介護に関連する医療について綴るブログです。

介護スタッフの家庭ドラマ その1

¥300円のお弁当!

 

由美(母)さんと長男(高校3年生)は、学校から帰ってきたら、食べたお弁当箱を流しに置いておく約束になっています。もし、それが出来なかった時には、コンビニの弁当をお小遣いで買って学校へ行くことになっていました。ところが、長男は、今日も弁当箱を流しに出していません。

 

定時の仕事の後に会議が続き自宅に9時に帰った由美さんは、苛立ちを押さえながら、同じ家の中にいる息子にラインを送信しました「明日弁当いらないの?!」しかし、いつまで待っても返信がありません。

 

長男は、学校から帰るとすぐに2階の自室に入り友達に電話をかけて、話に夢中になってしまいました。

 

翌朝、由美さんは。「さっさと持って来ればいいのに」と思いながら息子に会い、「どうするの!弁当いらないの!」と問いかけました。

 

息子は、元気なく「どうせ作ってくれないんでしょう⤵」という。

 

由美さんは、コンビニ弁当にお小遣いを使わせるのもかわいそうだという思いもあり、息子に「じゃあ、¥300円で作ってやる!」という。

 

すると息子は、「うん、わかった」といい、長男は、お小遣いの中から¥300円を由美さんに支払い弁当を持って学校へ行ったそうです。

 

【介護】お薬カレンダーを活用した薬の管理

以下、「認知症介護 Vol.17 No.1」に掲載された内容を簡単に要約したものです。

 

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 グループホームなどの施設において、いつも利用者の身近にいる介護職には、処方薬の飲み忘れや飲み間違いを防ぐことが求められています。
 認知症のために服薬管理ができない入居者も多くいます。そこで当施設では、介護職が、毎月の定期受診の際にもらってきた処方薬を入居者ごとの引き出しに分けてしまい、毎日飲む分だけを取り出して朝、昼、夕などに分けて、そのつど手渡すようにしていました。


 しかし、「定期受診の際に薬が余っている」あるいは「受診日の前日に薬がない」という問題が発生していました。
 そんな時に株式会社インディーズ・ファーマ クローバー薬局美和の薬剤師である岡崎敦之と岡崎陽太郎さんに出会いました。

 

 私たちは、毎月会うたびに施設での服薬管理をどうすればよいかについて会話するようになり、入居者1人に対し5枚のお薬カレンダーを使って1ヵ月分の服薬管理をすればよいのではないかと考えました。

 

 

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 お薬カレンダーを5枚使って服薬管理をすると、何が変わってくるのでしょうか?

 

 当施設でも従来の服薬管理では、薬局からもらってきた薬袋から朝、昼、夕に区切った小箱に1週間分を分けて置き、そのつど介護職が取り出して手渡していました。しかし、そのやり方をやめて、5枚のお薬カレンダーに整理して壁に掛け、そこから取り出して手渡すようにしたところ、次のようなことが確認できるようになりました。


・定期受診で処方された4週間分の処方薬の種類と量に間違いのないことが確認できる。
残薬がどれくらいあるかが一目で確認できる。
・下剤のように日によって調整が必要な処方薬の場合でも、お薬カレンダーのポケットにとびとびに残っている状況を見ることで服薬状況を確認できる。
・風邪薬や痛み止めのような頓服が数日分処方された時でも、もらってきてすぐにお薬カレンダーに差し込むことで服薬状況が確認できる。

 

 4週間分の処方薬を管理するのに4枚ではなく、なぜ5枚のお薬カレンダーが必要なのか、疑問に思う方も多いと思いますので、その理由について説明します。

 

 病院受診には、当施設の入居者全員(9人)を一度に連れていくことができないので、通常2~3人に分けて連れて行きます。そのため、月曜日から4週間分の処方薬をもらう入居者と水曜日から4週間分の処方薬をもらう入居者というように、4週間の範囲が違ってきます。

 

 9人の入居者が全員月曜日から4週間分の処方薬をもらうのであれば、4枚のお薬カレンダーに整理できるのですが、水曜日から始まる入居者の場合にはお薬カレンダーの初めの曜日を水曜日に直して使用することにすれば4枚で済みますが、やはり全体を把握するには、できるだけ全員が同じ位置からスタートするようにしたいものです。

 

 当施設では、お薬カレンダーを使って処方薬を整理することによって、飲み忘れや飲み間違いがなくなっただけでなく、9人の入居者の処方薬と残薬が一目で分かるようになりました。

 

 ほかの施設の看護師からは、「すごい!」「勉強になる!」という意見や、反対に「言っちゃ悪いけど人数が少ないからできるのよ!」などという意見をいただいています。果たして本当に、人数やユニット数によって❝できたり❞❝できなかったり❞するのでしょうか? ぜひ皆さんもお試しいただければと思います。

 

引用・参考文献
大瀧清作:チームの連携を強めるシートの作成~薬(処方薬)に目を向けて、臨床老年介護、Vol.21、No.5、P.76~81、2014